3Dプリンターで初心者が勘違いしやすいこと3選
自宅工房 プロダクトデザイナーのM34c(えむさん)です。
現在僕はプロダクトデザイナーとして、製品開発をする企業などから依頼を受け、サンプルを作るのに3Dプリンターを利用しています。
この記事を読んでくれてるあなたは、3Dプリンターにどんなイメージを持ってますか?
便利、近未来的、すぐにモノができる、、などなど色々なイメージがあると思います。
でも、、
ニュースなんかで3Dプリンターのことについて色々とりだたされていますが、現状は実際そんなに便利で安いものじゃないんだよと言いたい、、
(この先どんどん技術が進んで便利になるとは思いますが)
この記事では、初心者がよく陥るであろう勘違いとどれくらいの費用感で使用できるのか紹介していきます。
初心者が陥るであろう勘違い
初心者が陥るであろう勘違いを3つほど紹介していきます。
1.写真があれば、3Dプリンターですぐに作れるわけじゃない。
依頼者さん「えむさん、こんにちはお仕事の依頼で連絡しました。3Dプリンターで作って欲しいものがあるんですけど、」
僕「依頼者さん、こんにちは。お仕事の依頼ありがとうございます。どんなものをご所望ですか?」
依頼者さん「こういうものを作りたいんですけど、(写真、ペラめちゃくちゃ複雑な物)」
僕「!!!!?、、な、なるほど、、(内心混乱)
3日ほどお時間いただきますが、よろしいですか?」
依頼者さん「え、、そんなにかかるんですか? 写真をなんかの機械で読み込んだら、すぐに3Dプリンターで作れるんじゃないんですか?」
僕「申し訳ありません。すぐに作るのは難しいです。」
依頼者さん「わかりました。料金はいくらですか? 写真あるので、当然安くなりますよね?」
僕「いや、、、」
という会話をかれこれ十何回とやっています。
写真があれば、3Dプリンターですぐに作れるわけじゃないです、、、
あらゆる角度から撮った写真を元に3Dデータを1〜3日かけて作成します。
そこから、3Dプリンターの設定をいじってそのデータを出力します。
(ピンクのフィラメントで出力したもの)
2.量産に向いている?
(牛さん)
3Dプリンターは量産に向いていると考えている人は結構います。
本当のところ、何万個と作ったりする場合、3Dプリンターで量産するよりも型枠工場にお願いしてしまった方がコストは安くなります。
3Dプリンターの出力費用が1個1000円ほどで作れるものの場合、型枠工場で作成する場合、型枠作成費用で20万円かかるとして、1個100円とかで作れたりします。
つまり、1万個3Dプリンターで作ると、1千万円かかりますが、型枠工場にお願いすると、120万円で済みます。
ただ、1個、2個サンプルで作るときに、3Dプリンターは大活躍します。
3.実物のものをコピーで作るのにはお金がかかる。
(日本3Dプリンター株式会社で3Dスキャナの説明会で撮ったもの)
同じ形のものを作成するのに3Dソフトでデータを作成するのは難しいです。
同じ形のものを作成するには3Dスキャナーというものが必要になってきますが、借りる場合、それなりにかかることを覚悟しておいてください。
3Dスキャナーの一日レンタル費用はおよそ5,000円から50,000円ほどかかります。
5,000円でレンタルできるものに関しては、5cmぐらいの大きさのものしか正確に読み込みません。
大きいものをスキャンしたい人は、それなりの労力がかかることを覚悟しましょう。
以上、初心者が勘違いしやすい3Dプリンターのこと3つでした。
ここまで読んでくださりありがとうございます。